「親戚だから……白雪姫」



はっ…結局あの女も生粋のお嬢様ってわけね…。

そうくるとあの女のすべての態度が気にくわない。


生意気な態度。

生まれてから全てを持っていて、そのうえ、伊織という男まで与えられたポジション。




「………」


「玲奈様…?」



不思議そうに車のドアを開けた百瀬をよそ目に、豪邸に急ぐ。


ホールはキラキラと眩しい。

伊織やあの女は、どんな豪邸住まいなのかしら…?




「玲奈様?」



足早のあたしが珍しいのか、百瀬が後ろから怪訝な声をかけてくるが立ち止まるわけもなく急ぐ。


誰もがお近づきになりたい家柄の伊織。


女なら結婚相手として。

男なら仕事相手として。