「だったら、私を殺せと、願えば良かったものを」 今度は、青年が形相を崩す番だった。 放っておけば、 好き勝手紡ぎ出しそうな桜色の唇。 だが青年にとって、これは不思議でしかなかった。なんでも見透かしたような客観的視点をもつ少女が、物事を計り間違えることは、そうそうあることではない。