アズマの声と、テレビから聞こえる歌。
似てるなんてものじゃなく、全く同じ音だった。
冷静になってみると、顔だって2人は同じだった。
……同一人物……
『スリコミってやつだよ』
『スリコミ……?』
『舞は子供の頃、何かのテレビで俺を見たんだろ』
そんな……
じゃあアズマは運命の人なんかじゃなくて……
『芸能人……なの?』
『まぁ、気付かなかった舞も見てて面白かったけどね』
酷い。
運命なんかじゃないってアズマは知ってたの?
知っててからかってたの?
『……ッアズマなんて大っ嫌い!!』
私は上に乗っかっていたアズマを思い切り突き飛ばして部屋を飛び出した。
運命の赤い糸なんてもう信じない。
運命なんて……
『運命……?』
私……
アズマを見てなかった。
運命、運命ってそればかりで……
ふと横を見ると古ぼけた本屋が。
吸い込まれるようにそこに入るとアズマの名前が表紙にあった。
《15歳の時、シンガーソングライターとして歌手デビュー
それから10年経った今も歌手として人気が高い》
1ページを使ったインタビュー記事とプロフィール。
『はは… …気付かなかった私が馬鹿だったんだ』
アズマが運命の人じゃないって事と、
テレビの中の人物だって事が苦しい。
あんなに近くにいたのに遠く感じる。
次の日、バス停には行けなかった。
私はあの人とは違う世界の人間だと強く感じてるから。
その次の日もその次の日も、バス停を通らずに下校した。
ちょうど一週間ほど経った頃だろうか。
校門の前に人だかりができるという奇妙な出来事が起きた。
『舞〜! 何だと思う?』
『え〜、私もわかんないよ』
何か事件でもあったのかな?
それとも……
『ねぇ! 校門のとこに芸能人が来てるんだって!』
廊下を走る沢山の女の子の中の一人がそう言った。
『芸能人?』
まさか‼︎
急いで窓から校門を見ても人が多すぎて渦中の人物が確認できない。
『何よ〜、舞もミーハーなんだから』
同じように窓から顔を出しているクラスメイトが言った。
『ミーハーなんかじゃない。 私、ファンなんかじゃない‼︎』
アズマは、私の好きな人だ……
似てるなんてものじゃなく、全く同じ音だった。
冷静になってみると、顔だって2人は同じだった。
……同一人物……
『スリコミってやつだよ』
『スリコミ……?』
『舞は子供の頃、何かのテレビで俺を見たんだろ』
そんな……
じゃあアズマは運命の人なんかじゃなくて……
『芸能人……なの?』
『まぁ、気付かなかった舞も見てて面白かったけどね』
酷い。
運命なんかじゃないってアズマは知ってたの?
知っててからかってたの?
『……ッアズマなんて大っ嫌い!!』
私は上に乗っかっていたアズマを思い切り突き飛ばして部屋を飛び出した。
運命の赤い糸なんてもう信じない。
運命なんて……
『運命……?』
私……
アズマを見てなかった。
運命、運命ってそればかりで……
ふと横を見ると古ぼけた本屋が。
吸い込まれるようにそこに入るとアズマの名前が表紙にあった。
《15歳の時、シンガーソングライターとして歌手デビュー
それから10年経った今も歌手として人気が高い》
1ページを使ったインタビュー記事とプロフィール。
『はは… …気付かなかった私が馬鹿だったんだ』
アズマが運命の人じゃないって事と、
テレビの中の人物だって事が苦しい。
あんなに近くにいたのに遠く感じる。
次の日、バス停には行けなかった。
私はあの人とは違う世界の人間だと強く感じてるから。
その次の日もその次の日も、バス停を通らずに下校した。
ちょうど一週間ほど経った頃だろうか。
校門の前に人だかりができるという奇妙な出来事が起きた。
『舞〜! 何だと思う?』
『え〜、私もわかんないよ』
何か事件でもあったのかな?
それとも……
『ねぇ! 校門のとこに芸能人が来てるんだって!』
廊下を走る沢山の女の子の中の一人がそう言った。
『芸能人?』
まさか‼︎
急いで窓から校門を見ても人が多すぎて渦中の人物が確認できない。
『何よ〜、舞もミーハーなんだから』
同じように窓から顔を出しているクラスメイトが言った。
『ミーハーなんかじゃない。 私、ファンなんかじゃない‼︎』
アズマは、私の好きな人だ……

