『う…… 運命の彼に会ったぁ!?』

次の日に早速、友達に報告。

『声も顔も同じで、すぐにわかっちゃった!』

『へぇ。 ホントに運命なんてあるんだ』

『信じてなかったなぁ?』

『はは! バレた?』

『もぅ……』

でもまだ問題だらけ。
彼のフルネームも年齢も何も知らない。

どこに行けばまた会えるの?

あのバス停……?
あそこならまた会えるかな?



ただじっとしてるのは性に合わない。
てわけで、学校が終わると同時にバス停へ向かった。

『よっ、女子高生』

あ、会えたぁ!!

『アズマ!』

って……
興奮のあまり合ってるかもわからない名前で呼んでしまったよ。

『何だ。 俺の名前知ってんじゃん』

しかしアズマは少し呆れたように笑った。

『合ってるの?』

『確信なく呼んだんか』

私の額に軽くチョップするアズマ。

何だかこういうやりとり。
いい感じっぽい……

『あ! 私は舞だよ!』

『聞いてないから』

バッサリ……

『アズマ冷たい!』

『嘘、嘘! 舞ね。 平凡で覚えやすい』

アズマはそう言って私の髪の毛をクシャクシャっとかき混ぜた。

『髪の毛崩れるじゃん!』

『ガキがそんなん気にすんな』

『ガキぃ!?』

『おぅ、俺から見たらガキもいいとこだわ』

さらに髪をクシャクシャにさせて笑う。

笑った顔がすごく可愛くて、胸が変に締め付けられる。

やっぱ私、この人が好きだなぁ……

『そんなアズマは何歳なの!?』

『 多分、舞よりは10コ近く年上かな』

『10っ!?』

私が16歳だから~……

『26?』

『今年ね。 今はまだ25』

きゅ、9歳も上か……
でも見掛けは十代にしか見えないよ~。

知らなきゃ良かったかも?

『あー、悪い。 俺、仕事行かなきゃ』

『あ、うん。 またね!』

『三度目は、もうないかもね〜!』

また昨日と同じ意地悪な笑みを浮かべ、去っていくアズマ。

二度ある事は三度あるんだよ!
明日も絶対にバス停で待ち伏せてやるから!