「千衣(ちい)、今日空いてる?」

「あー、...ごめんっ!明日じゃダメかな?」


教室の正反対から大声で話しかけてくる未羽(みわ)にあたしも大声で返す。


いくら大声を出しても、教室全体が煩いから周りには迷惑になっていない。

皆、全力で高校生活を満喫している。

学生なら勉強でもしたらどうなのか、とは思うがあたしも実際満喫しまくっている。


「そっかー、...じゃあ明日で!」

「うん」


...未羽、ほんとかわいいな。


自分でも自分のこと気持ち悪いって思うくらい未羽がかわいいと思う。

大きな瞳と長い睫毛、整った鼻筋にぷっくりと膨らんだ可愛らしい唇。

それらが白く柔らかい肌に馴染んでいてもうほんとかわいい。

短いスカートから惜しみもなく出される白い脚も細くて長くて...。


...今、一瞬でここまで考えた自分を自分で引いてしまった。


とにかく、あたしは未羽の親友でいられることが心から嬉しいってことだ。


「それじゃ、今日はここまで!解散!!」


教師の一言で、うるさかった教室が一瞬で静かになった。

ほぼ全員が下校したからだ。


あたしもその波を切らさないようにして教室を後にする。

そして、そのまま、街の方へと向かう。