ノンストップメモリーズ





届け先が能力者の元...?


「椿と言えば、隣町のところですよね」

「...俺ら、アイツらと仲悪いんだよなぁ」


能力者組織“椿”。

聞いたことがある。


ほんの小さな、能力なんて無いに等しいくらいの能力者でも全て拾って育てているという変わり者、だ。

あたしたちの住んでいる場所の近くだと、数だけでいえばトップクラスのところ。


確か、領土がなんやらかんやらで桜と大喧嘩したらしい。


「でも、ただ弱い奴らが集まっただけのところじゃん」


げんなりした様子の二人に、平然と言ってのければ少し...、いやかなり驚かれた。

だってあたし喧嘩の現場にいなかったから分からないし。


「いや、潰しにいくならまだしも、今回の目的は護衛だ。数がかなり面倒になる」

「ふうん...、実は護衛ってしたことないからなあ。よく分かってないんだよね」

「春野さんに害を与えようとするものを全て排除するだけなので簡単ですよ」


.......まあ、ナルがそう言うならそうなんだろう。

とりあえず二人について行けば失敗はしないと思うし。


「で、椿の誰に届けるんだ?」

「........椿に捕まっている、友人の元に」