「じゃあ依頼についての話な」


ハルが手と相槌で依頼主をソファの中央へ座らせ、あたしたちを向かい側に座らせる。

さりげなくソファに座ったシズを追い出し、シズは横で不貞腐れてる。


...なんか、年上に思えないな。

そんなシズを、ナルがしばらく見つめた後、面倒くさそうに言葉を吐いた。


「...店番行っててくださいよ。邪魔」

「ナルちゃんひっど!!」


泣き真似をするシズに、ナルはさらにため息も追加する。

ハルは苦笑いしながら、依頼主に愛想を奮っている。

年上だからの苦労なのだろうか。シズが餓鬼すぎるのだろうか。


...そういえば、ナルって19歳なんだってね。

シズと2歳しか違わないのにすごい大人に感じる。


シズが表へ出ていったところで、依頼主が話を始めた。


「私は、春野(はるの)と申します。今回お願いいたしましたのは、とある場所への護衛です」