「あーあ、俺も見たかったなぁ。イチの金色の瞳」

「まあ俺見たことあるけどね」

「...僕もありますけど」

「えっ、あるの?!」


ちょっと待って初耳なんですけど。

ハルはまあ、分かる。

ほんの一瞬だったと思うけど、見られてたらしいし。


それより、ナルだ。

きょとんとしてナルの方を見ていると、はあ、と大きくため息をついて話してくれた。


「まだ気付いてなかったんですか。...ファストフード店で「ああ!!」

「......」


言葉を遮って驚きを表したあたしに、最後まで言いたかったのかジト目で見つめられる。


未羽と一緒にいた時の、あの少年がナルだったのか。


翌々考えれば、それで全てが当てはまる。

堂々と能力を使えるのは桜の能力者だけであること。

シズとハルは声的に違うのが分かっていたし、残りのメンバーは女だという。

ナルしか、当てはまらない。

それならばあの敬語口調も納得できる。


「ええ、じゃあ俺だけ見たことないのに俺が店番?!」

「そうなるな」

「まじかよ...」


しゃがみ込んで傷付くシズを見ていると、なんだか複雑な気持ちになる。