......、

何この状況。


「俺が行く!!」

「いや、俺が誘ったんだ俺は絶対だね」

「...普通に考えて僕ですよね」


いや、なんとなくは分かる。

今度の護衛をする人だ。

“全員で”とは言っていたが、店番をする人を忘れていたのだろう。


そして多方、今回の依頼はあたしの力量を測るもの───。


「......あたしやろっか?店番」

「「「だめ」」です」


とは言え、あたしがこの場に来て短く見積もっても20分この言い合いをしている。

拉致があかないだろう。


まだ挨拶をしただけで何の説明も受けていないが、隣には依頼主、兼護衛対象もいる。

なんかもう、恥ずかしい。


「〜〜〜よっし!ここはもう勝負だ!!」


...え、

勝負って...、


「最初はグー!!」


......ああ、ジャンケンか。

なんかすごいことやりだすんじゃないかと思ってハラハラしたけれど、そういうオチなのか。


そしてその結果、シズはチョキ。ハルはグー、ナルもグー。

シズが店番を担当することになった。