「名前はシズ。能力は空間移動だ。好きなものはラーメン。よろしくな!...って言っても全員分かるんだけど」
勢いまかせ、という気もしたが、その元気良さが逆に雰囲気作りに役立った。
「じゃあ次はハル!」進行役としてシズさんが指名していく。
「名前はハル。能力は風。めんどくさいことは嫌いだけど楽しいことは好きだよ。まあ、気楽に行こうや」
「次はナルな」
「ナル。精神干渉が能力。......よろしく」
指名され、すぐに簡単な説明をする。
シズさんが不服そうな顔をしているが、関係ない。
ハルさんはこれを“楽しいこと”に含めているのかもしれないが、僕は“めんどくさいこと”だ。
こういうのは、苦手だ。
───と。
丁度目の前に座る少女は、目を見開いてこちらを見つめていた。
揺らぐ瞳が不安そうな心の状態を表している。
「......その能力。手に入れたの、いつ?」
「?...6年前、ですけど」
「...っ、」
精神干渉。
その能力の内には、相手の心を読むことも含まれている。
だが、何故か分からない。
彼女の心を読むことができないんだ。
伝わってくるのは真っ黒に染まった殺風景のみ。
こんな人間は初めてだ。

