振り返ると、自分と同じくらいだろうか、長身の男が立っていた。


少女が去り、地面に寝たままだった体をさっと起こす。

作業着のようなつなぎを着た男の顔を精一杯睨みつけながら口を開く。


「...なんだよ」


すると男は、自分の睨みに全く動じずに答えた。


「さっきの女。アイツ、どこで捕まえたの」

「なんでてめえに言わないといけねぇんだよ」

「...別に、俺としてはどうでもいいんだけどねぇ。仕事柄、必要な情報なんだよ」


はあ、と大きくため息をついて壁を背もたれに座り込んだ。

すごくやる気のなさそうなその様子を見る限り、本当にどうでもよさそうで。


「あーほら、あの子、能力者だっただろ?俺も一応能力者だからさ、情報管理しないといけない訳よ」

「能力、者...」


男はヘラヘラと笑って自分の瞳を指差す。

見ろ、ということだろう。


見つめていると、それが一度瞬きした隙に緑色に変化していた。


「う、わあ!!」

「...ね?だから、お願いよ。あの子について知ってること教えてちょうだいな」