ノンストップメモリーズ





***


薄暗い路地を抜け、桜の門を潜る。


見た目同様、駄菓子屋店内は狭く設計されているのだが、桜の拠点となっている地下はとにかく広い。

人数の少ない桜には勿体無いくらいだ。


「おう、ナル。今日は報告があるんだぜ」

「......?」


地下にあるこれまた大きなソファに腰かけると、向かいに座っていたハルさんが声をかける。

部屋の端に置いてある扇風機から来た風が、丁度ハルさんの髪の毛を揺らす。

元の顔が良いからだろうか、なんというか...様になっている。

ただ座っているだけで様になるとは何事だ。


...とは言え、報告?

この時期に何があるというんだ。


それっきり喋らなくなったハルさんは、鼻歌を刻みながら仕事の残りを始めた。

...いや、なんだったの。


訳もわからず、先ほど立ち寄った本屋で購入した本を読んでいた時だ。


ドアが開いた。