「それで、それを見兼ねた先輩が、すぐに助けてくれて。泥棒の人、捕まえてくれたんだ」
今も膝の上で抱きしめている鞄がそれなのだろう。
幸せそうにニヤけながら話してくれる。
......未羽が幸せなら、あたしはそれでいい。
それに、自分の気持ちを話してくれたことがすごく嬉しいんだ。
たとえ相手が、シズだとしても。
「そっかあ...、未羽に、好きな人かあ...。あたし、応援してる!!相談とかもいっぱい聞く!!」
「うん...、ありがとう...!!」
素晴らしいくらいの、輝くような、人懐っこい満面の笑みでお礼を言う未羽を、心から応援したいと思った。
でも、もし...、シズが能力者だと知ったら、その時は...。
いや、それよりも、だ。
朝の噂のこと。
未羽はどんな気持ちだっただろうか。
あたしとシズが話しているところを見かけた時、どう思っただろうか。
そう考えると、何故か胸が痛くなった。
───────と。
突然、轟音と共に道路に面する窓ガラスが割られ、軽自動車が突っ込んできた。

