「今日はすごいね、清水先輩」

「どうしたの、コレ。みんなしてさ」


席に座っていた隣に座った未羽は、清水先輩の話を始めた。

情報通な未羽の話は信用できるし、面白味もある。

どんな話でも真剣に、聞き入ってしまうんだよね。


「昨日の夜、街で先輩が女の人と歩いてるところを見かけた子がいるんだよ。しかも、二人とも学校の制服姿」


............、え?


「朝からもっぱら噂でさ、ファン倶楽部の人たちなんてもう「その女見つけてぶっ殺す!!」とか言って騒いでたんだよ」

「へ、へぇ、そんなんだ...。た、大変だねぇ、?」


嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。

なんかよく分かんないけどやばいって。

ファン倶楽部とか初耳なんだけどそうだよね伝説とか言われるくらいなんだからあるよねそれくらい!!


......これ絶対バレる流れだよね。

身体中の色んなところから変な汗が噴き出している。


大体ぶっ殺すって何、何されんのあたし。


「ち、ちょっとトイレ行ってくるね」


なんか...え?

平気な顔してあの話聞いてる自分が嫌になって逃げてきたけど、...どうすんの?


とりあえず手汗が気持ち悪いから手を洗う。


と。


「学校終わったらコンビニで待ってて。案内してやる」

「へ?えあ、う、うん!何で此処に...というか周りの人たちは...」


事件の当事者である清水先輩が突然横から話しかけてきた。

一体どこから現れたというんだ。