ノンストップメモリーズ





「...で、さっきの退治したってどういうことだよ?」

「あぁ?そのまんまじゃねえか。そこの嬢ちゃんに聞けば分かんじゃねえの」

「えっ」


突然話をふられ、何が何なのか分からない。

というかまず、なんでこの人はあたしの事を知ってるの怖いんだけど。

能力者だから?そうなの?


あたしの反応を察した彼は、少し考えた末言葉を発した。


「...あんた、昨日の夜どこにいた?」

「昨日の夜...学生寮「此処の近くの路地にいただろ」


言葉を遮られ、全ての話がやっと繋がったのを感じた。


「...見てたの?」

「ああ。終始見てたさ。お前、能力者だろ?うちに何の用だ」


喧嘩腰で話す男に、清水先輩がどうにもついてこれていない。

おろおろしてる。


まさか、見られてただなんて。

あたしはこの人たちを探してあそこにいたっていうのに。


昨日、あたしは無駄にゴツい身体をした男の人にナンパのようなものをされた。

あの時は別に急いでいた訳でもなかったから、ついていったら、路地裏でありふれた言葉を囁いてくるだけで。

後で使おうと思っていたボイスレコーダーで録音しておいた。

すると、手を上げようとしてきたから能力を少しだけ開放し身体能力を上げ、男を床に伏してからボイスレコーダーを置いて帰ったんだ。


アイツが関口くんが絡まれてた不良くんだっていうのか。

そしてこの男は見ていたというのか。


あたしは昨日、街に出た目的を何も達成できなかったというのに。

...まあ、関口くんを助けることが出来たと思えば上出来か。