と。
学校の伝説的人物の弱みを知ったところで、さっきの男が入ってきた。
「こっち。来て」
清水先輩がすぐに立ち上がるから、あたしも後に続いた。
ソファに座る関口くんと、女の人。その向かいに清水先輩たちが座って、あたしは...
戸惑っていたら、清水先輩が無言で指を差した。
「となりに座れ」らしい。
別に嫌じゃない、が、違和感を感じながらそこに座った。
「“ちーちゃん”だっけか?この人、コイツのお母ちゃんな」
男の人が、あたしに説明してくれた。
関口くんの横に座る人は、関口くんのお母さん。
...ていうか、なんであたしの名前知ってんだ。
「コイツ、最近野蛮な“不良くん”によく絡まれてたらしいんだよ。んで、たまたま此処を見つけたお母ちゃんが依頼に来た、と」
「それで、その不良くんは?」
清水先輩が男の人に質問すると、その人は黙ったままあたしを見て微笑んだ。
...え、何。怖い。
「もう“退治”しておきましたから、心配しなくて大丈夫ですよ。お金の方も今回は受け取りませんので、」
質問に答えるようにして、その笑顔のまま関口くんママに言った。
流れで関口くんたちは帰ることになって、あたしは「もうちょっと残るよ」残ることにした。

