ノンストップメモリーズ






あれは、先週のことだ。


あたしが書いた作文がたまたま賞をとってしまい、全校生徒の前で読まなければならなかったときのこと。

なんとも恥ずかしいことをやらかしてしまった。

マイクを受け取り、壇上に上がろうとしたとき、マイクの線に引っかかって。

椅子を掴もうとしたら、勢いで椅子ごと顔面強打してしまって。

全校生徒の前で鼻血を垂らしたんだ。


...ほんと、あれは死にたいと思った。

失態を犯すなんて、滅多にしないのにな、あたし。

だからか、余計に恥ずかしくてたまらなかった。


それを、それを...、


「忘れてください今すぐに!」


有り得ない。

みんなの憧れの的的存在である先輩にこんな覚え方されてただなんて。

未羽とかに言えば「覚えられてるだけで幸せじゃん!!」とか言われるんだろうな。

...まあ、あたしはそれなりに小さい頃から知ってたんだけど。


「ハル、俺あっち行くわ。この子連れて」

「ああ、俺らも3人で話があるから頼むわ」


あたしの言葉は無情にも“聞こえないふり”されて。

勝手に2人で隣の部屋へ案内された。


その部屋はさっきの部屋よりも小さくて、座布団の上に座らせられた。

清水先輩は、あたしの向かいにお茶を汲んでから座った。


「......、」


しばらく沈黙が続いたが、案内された側として自分から話すのはどうかと思って中々口を開けなかった。

と。


「お前、さ。俺と同じ孤児院だったよな?」


先輩が難しい顔をしてその沈黙を破った。


......えっ、...え。

先輩、今、なんて...、


「...はい。......もし、かして、あの事覚えて...「あれはほんとに悪かったと思ってる!」


恐る恐る確認をとるようにして言葉を発すると、あたしが言い切る前に遮られた。

今でも瞼を閉じれば“あの事”が鮮明に蘇ってくる。