真っ赤な顔をして突っ伏す菜々穂。
心配そうに見守るのは
色っぽい女の子と
一瞬子供かと思うくらい
背の低い女の子。

「かなり飲みましたか?」

玲奈という友人に尋ねる。

「いいえ。カクテル1杯…
まさかこんな弱いと思わなくて。」

1杯…
俺は菜々穂を抱き上げる。
身長の割に軽いな。

家へ連れて帰り
ベッドに寝かせる。

部屋を出ようとしたら
俺の袖をちょっと引っ張って
うっすらと目を開けた。

「水嶋…
私いつまでこの生活なのかな。」


そう呟いてまた目を閉じた。
酔っていたからこそ出た菜々穂の本心。


本当はすごく寂しいはずだ。
いくら使用人達にお姫様待遇されようと
好きなだけお金を与えられようと
菜々穂が欲しいのはそんなんじゃない。



家族の愛情だ。