私がお嬢様をやめる時

翌朝、目覚ましの音がする。


ゴン!!


部屋の中からものすごい音がして
目覚ましが止まった。

起きたのだろうか?
だが、物音がしない。

俺はノックをして部屋に入る。

落下した目覚ましは
壊れていた。

ベッドには
布団にくるまり丸まった物体。

俺は少しからかってやろうと
布団の隙間から出ている腕を
撫でてみた。


「!!?」


声にならない叫び声をあげて
慌てて布団から現れる菜々穂。