私たちは
ガラス細工がたくさん展示してある
博物館に立ち寄った。

そこでも菜々穂と水嶋さんから
モヤモヤした気持のせいで
目が離せない。

ずっとモヤモヤしているのが嫌で
水嶋さんがトイレに向かう隙を狙って
後を追いかけた。

「水嶋さん!」

トイレから出てきた水嶋さんを
一目のつかない所へ引っぱる。


でも、いざ水嶋さんと話そうと思ったら
水嶋さんの身長がものすごく高くて
私の首が折れそうだった。


「はっきりしたいんです。


私と玲奈は水嶋さんが
菜々穂の見ていない所で
笑ったり、怒ったり
表情を変える所を見てました。

どうしてですか?
どうして菜々穂には
一切笑わないんですか?
水嶋さんは菜々穂の事
どう思って…」

水嶋さんは
近くにベンチを見つけて
私を引っ張った。

どうやら
私が見上げて喋るのが辛いのを
すぐわかってくれたらしい。
菜々穂の言う通り
気配りがすごくできる人だな…