私がお嬢様をやめる時

ダイニングで
シェフの作った朝食が運ばれる。


縦長の大きなダイニングテーブル。
ぽつんと一人で座って食べる食事。


これが毎日の光景。


15年前、母は病気を患って
若くしてこの世を去った。


お父様は海外にいることが多く
ほとんど家には帰らない。


兄が1人いるけど、3年前に結婚し
立派な家を建てて
この家を出てしまった。


私はこの広い家でひとりぼっち。


お父様は私にカードを渡し
何でも好きに使っていいと言う。
きっと一人でこの屋敷に残すことを
申し訳ないと思っているのだと思う。

使用人達は私をお姫様のように扱う。
そんな生活で
ものすごくワガママに育ってしまった。