「玲奈ちゃん、玲奈ちゃん。」


媚びるように呼ぶ声。
虫唾が走る。
ママの和室に入れたくない。
私は素早く女の元へ行く。


「これ、うちの会社の新製品だから
使ってね?お肌綺麗になるから。」


女が手渡したのは
自分の会社の化粧品。

この女はパパに出資させて
自分の会社を持った。
毎日セレブ生活を満喫しているようだ。



パパは私のことを溺愛してる。
私があの女追い出してって言えば
きっと追い出してくれる。


でも、パパがどんなにひどい人でも
私はパパが好き。
だから、パパの幸せを
奪うようなことはしたくない。

あの女は私に媚びてる。
心の中では私みたいな娘
早く出ていけと思ってるはず。

でも、パパはあの女よりも
いつも私を優先する。
だから私を追い出すなんて
さすがのパパも許さない。


だからあの女も私も
お互いに我慢して生活してる。