私のママは
私が中学の時にガンで他界した。
菜々穂も早くにお母さんを亡くしてる。
菜々穂は自分の事のように悲しんで
私を支えてくれた。
でも、そんな菜々穂のお父さんと
全く違う道を進んだ私のパパ。

ほどなくしてあの女がやってきた。
絶好の機会とばかりに…


あの女はパパの愛人だった。
ママが死んだ後すぐに
パパと結婚した。

パパはママがガンで苦しんでる間
ろくに見舞いにも来ないで
この女と会っていた。

ママはもっと余命が長いはずだった。


でも
ママは知ってた。
パパが他の女と会ってること。
ある日ぽつりと「疲れちゃった。」
そう言って
ママはどんどん容態が悪くなって…

早く楽になりたかったんだと思う。
でも、それでよかったの?



この家のこんな薄暗い部屋に置かれて
あの女がこの家で生活するのを
黙って見てなきゃいけないなんて…
死んだら負けだよ。


私は失敗なんてしないよ。
いつか
この家から一緒に出ようね…