「殴られたくなかったら
すぐに執事変えろ。」


私の中で何かがプッツリ切れた。


「ふざけないでよ!
水嶋は私の事完璧に理解した執事なの。
水嶋の変わりなんて
後にも先にもいないわよ!」


そう言った瞬間、恭平は壁を殴った拳を
私に向けて放とうとした。



周囲からはきゃー!と悲鳴が上がった。



私は目をぎゅっとつぶった。



殴られても構わない。
水嶋を手放すくらいなら
殴られた方がマシ。

無表情だけど
あの屋敷で唯一の理解者なんだから。

パシッ!!


目を開けると
私に当たるはずの拳を
水嶋が片手で受け止めていた。


「っの野郎!!」

恭平はすぐさま2発目を放った。
拳は水嶋の頬にヒットした。