「菜々穂にこの想いを
気づかれないようにするため。



菜々穂を自分の彼女にしたい。
そう思った日もあった。

でも、そしたら俺は解雇され
菜々穂には新しい執事が来るだろ?

菜々穂は俺に初めて会った時
心を閉ざしてた。
またああして心を閉ざしてしまうことは
させたくなかった。



何よりも、俺以外の誰かが
菜々穂のそばで
菜々穂の世話を焼くなんて
許せなかった。

だから俺は恋愛よりも
菜々穂の執事として
そばにいることを選んだ。


だから菜々穂に特別な感情があることは
知られたくなかった。」

切なそうに瞳を揺らす。