私がお嬢様をやめる時

「大丈夫ですか?」

ベッドの横まで来て私に尋ねる。

私は布団から少しだけ水嶋をのぞく。


そう…私は何よりも
この人を手放したくない。


私は気づいた時には
無意識に水嶋に抱きついていた。


「水嶋…私ね、水嶋が好き…
お見合いなんてしない。」




言ってしまった。



この言葉だって
水嶋を失う言葉なのに。




「…俺も。」


水嶋はそう言って
私を優しく包み込んだ。


…え?


私は顔を上げる。
あの時のように水嶋は微笑んでた。