私がお嬢様をやめる時

私は部屋で布団に包まって泣いていた。
ショックだった。
お父様が
あの縁談を持ちかけて来たことを
兄がなぜ断ってくれなかったのか。


兄だったら、私が自分で選んだ人と
幸せになって欲しいと言ってくれると
思っていた。


それなのに理解者だと思っていた兄自ら
あの写真を持って来るなんて。



確かにここの生活は寂しい。

でも、そんな
お見合い結婚なんてしたくない。


「お嬢様。」

水嶋が部屋をノックし、
しばらく私の返事を待っていたが
私の応答がないので
そっと部屋に入ってきた。