「だから、このままでいいの!?」

私たち3人は
珍しく休日を一緒に過ごしている。


最近オープンした話題のカフェで
私は今、清美と玲奈から
説教を受けている。


「いいもなにも…
私は今の生活があれば…」


2人には手を繋いだことも
キスをしたことも言っていない。

私が2時間だけカップルのフリをしてと
頼んだなんて、口が裂けても言えない。

「菜々穂、大学卒業して就職したら
あの家を出なよ!
そしたらもう
執事なんていらないじゃない!

お嬢様をやめて一人の女として生きれば
水嶋さんと恋愛できるよ?」


「え?」

清美の言葉にキョトンとする。

「あの家を出る?」

考えてもみなかった。
私があの家を出る…



「うん…考える…。」