水嶋が初めて表情を崩した。


さすがにあんな変なこと言われちゃ
崩さずにはいられなかったか…




人混みに流されるように
辿り着いた場所は
まるで別世界のようだった。

限りなく続く光のトンネル…

「なにこれ…すごい綺麗…」

私はその輝きに見とれた。
こんなすごい
イルミネーションを見るのは
生まれて初めてだった。

水嶋の手を引いて足早に歩く。

「すごいね!水嶋!」

私が水嶋を見上げると



水嶋が微笑んでた。


その瞬間
胸の中で何かが弾けるような…
何かにぎゅっと掴まれるような…
そんな感覚が同時に襲ってきた。


私がずっと見たかったその表情。