「おいしい~~」
その言葉にバーテンダーはにっこり笑い私たちより離れた場所へ
移動した。

「ところでさ・・・ああいう合コンどのくらい出てんの?」
いきなり思い出したくない質問をぶつけられ優花のテンションは
下がりそうになる。
それでも優花の性格がそうさせるのか馬鹿正直に話してしまう。
「もう回数なんか憶えてません。でも今月だけで3回目・・かな」
そう言うと男は一瞬驚き、そして笑いだした。
「まじで?・・・毎回あんな調子なんだろ?きつくない?」
「きついですよ。」
即答だった。
「じゃあ、断っちゃえよ」
「断る理由があれば、断れますよ!だけどそれが出来ないから・・・だから」
優花はジントニックをグイっと飲んでカウンターに置いた。
何で初めて会った男にこんなこと言われなきゃならないのよ。
どうせ、哀れな女をみて楽しんでるだけなんだと思うと悔しかった。
だが、男は意外な事を優花に問いかけた。
「じゃあさー。どんな理由なら断れるの?」
あまりに意外な問いかけに優花は首をかしげた。

どんな理由と言われても・・・・
とりあえず手っ取り早いのは彼氏が出来たとか・・かな?と思い
「やっぱり彼氏ができたら・・・じゃないですか?
でもそんな嘘つけないし、万が一出来たとしてもみんな私以外の
女の子になびいてっちゃうんで・・・・どうでもいいんです。もう」
初めて会った男に何でこんな自分の惨めな部分をさらさなきゃならないんだ。
どんな事したってこれから先も私の引き立て役人生は終わらないんだ
優花は残りのジントニックを一気に飲み、勢いよくカウンターに置くと
バッグから財布を出しお金をを置くと椅子から降り、男に向かって
「こんな私に付き合ってくれてありがとうございます。私帰ります」
そう言ってバッグを肩にかけ男に頭を下げて帰ろうとした。