「理由?」
そして達央は視線を優花に向けた
「ここにいるみんなのおかげ」
再び歓声が上がるが、達央は優花を見つめていた。
優花には『ここにいる君のおかげ』と言われてるような感じがし、
優花の顔がまっかになって、心臓が跳ねた。
「じゃあ・・・この曲をきいてください。」
そしてタイトルは言わずイントロが始まった。
優花はそのイントロをきいて再び心臓が跳ねた。
それはスタジオで達央のポータブルオーディオプレーヤーを聞いていた時に
『この曲好き』といった曲だった。
それをアコースティックなアレンジに変えて歌っていた。
時折、2人の視線が合う。

うぬぼれてたらごめんなさい・・・。
これは私のために歌ってくれたんだよね・・・
優花はそう思わずにはいられなかった。
曲が終わると
「なーんかいつもに増して感情だだ漏れで歌ってる様に感じたんだけど?」
尚也がニヤニヤしながら言うが
「そりゃ~こんなにたくさんの人が来てくれたんだから、感情だだ漏れでしょ~」
それからここのステージで4曲ほど歌うと再びメインステージへと
戻ったのだがその時、観客とハイタッチしながら優花の前まで来た。
その時優花にハイタッチしながら達央は紙切れを渡した。
もちろんばれないように・・・
優花はその紙をすぐジーンズのポケットに入れた。