達央は抱きしめていた身体を離すと、優花と目線が合う位置まで姿勢を直した。
「それから・・・」
「それから?」
達央は何か言いたそうな顔で優花を見つめた。そして小さく呼吸を整えた。
「充電・・・・させてほしい。俺が、優花と会えないくても頑張れるように・・・」
「充電?」
優花は何のことなのかわからず首をかしげると、達央の顔が近付いてきた。
「充電はこれで・・・・」
優花の唇と達央の唇が重なった。
優花はびっくりして目をまんまるくしていたが
達央のキスがあまりにもやさしく、愛おしむようなキスに瞼が閉じる。
こんなキス初めて・・・
今まで付き合ってきた男のキスはこんなにもやさしくなかった。
どちらかというと欲望むき出しの荒っぽいものだった。
だからキスがいいとは正直今まで思った事がなかった。
だか達央とのキスは違っていた。
自分の事を大切に思ってくれている事が伝わってくる・・
そんなキスだった。
「優花・・優花・・・」
達央の甘い声と啄ばむようなキスはだんだんと加速、達央の舌が優花の中へ
侵入する。達央の舌は、これは俺の領域だと言わんばかりに優花の中をかき乱した。
優花もそれに答えるように受け入れていた。
だが次第に優花は呼吸ができなり、達央にしがみつく。
唇が一旦はなれた。お互いの唇が濡れていて妙に色っぽかった。
「充電完了・・・・」
そう言って達央は再び抱きしめて頭をなでる。
そして大きな溜息を吐くと
「・・・ごめんな。これ以上しちゃうと、ライブの後のお楽しみがなくなるから・・・」
本当はお互いがその先を望んでいたかもしれない。
でもこの先に進んでしまうと、もう歯止めが利かなくなるとわかった。
「俺はこの拷問に耐える。だから優花は合コン禁止。わかった?」
優花は黙って頷いた。
「そんな色っぽい顔で頷かれても説得力無いよ」
意地悪な言い方だが達央の優花を見る目は愛おしさでいっぱいだった。
そして優花もまた達央への思いが加速するのだった。