引き立て役よさようなら(番外編追加)

まさか!
でも達央ならあり得る。優花はベッドから飛び起きると寝室のドアを
開けようとドアノブに手をかけたが、その手がドアノブを握ることなく
『うわっ!』
2つの声が揃った。そして目の前には一番会いたかった達央が驚いた顔で立っていた。
「お・・驚いた~。なに?このタイミングの良さ・・・もしかしてトイレ?」
何日かぶりに会った最初の会話がトイレって・・・
優花は一瞬で現実に引き戻されたような気持ちだった。
「違う」
不貞腐れながら回れ右をしてベッドに戻るとそのまま横になり布団をかぶった。
達央はなんでこんなことで怒るのか訳が分からなかった。

達央もまさか優花がこんな時間まで起きているなんて思っていなかったし
眠っている優花を驚かせたかっただけだった・・・

「優花?・・・・ただいま」
「・・・・おかえり」
まだ少し不機嫌そうだが返事がかえってきたということは単に拗ねてるだけなんだと
感じた達央は荷物をベッドの脇に置くと滑り込むようにベッドの中に入り後ろから
優花をギュッと抱きしめた。
「あ~~たまんない。すっごく会いたかった」
「・・・・・」
返事はないものの優花の身体がカッと熱くなったのが伝わった。
「優花に逢いたくて、ライブ終わったらメンバー残して帰ってきたんだけど・・
 ダメだった?」
優花は耳元で囁く達央の声に一人で拗ねている事がなんだか恥ずかしくなった。
「ダメじゃない・・・だって・・大事な話があったんだもん。
 本当はそのことを考えてたら目が冴えちゃって眠れなくて・・・そしたら
玄関のドアの開く音が聞こえたから・・・もしかして達央さんかなって思って
飛び起きたのに・・・トイレとか言うんだもん」
普段はこんなことで拗ねたりしないのに・・・もしかするとこれも妊娠したから?
優花は小さな変化に戸惑っていた。