「おばあちゃんて今幾つなの?」
「うーん。82歳でも凄く元気でね。今も元気に畑に出てるよ。
 秋になるとジャガイモやかぼちゃん、玉ねぎなんか送ってくれるの」
うれしそうに話す優花を達央は微笑ましく見ていた。
「じゃあ・・・俺にも会わせてよ。優花の大好きなおばあちゃんに・・・」
「え?」
「だめ?俺・・・優花のおばあちゃんに会いたい。
会ってちゃんと挨拶したいんだけど・・・だめ?」

別に達央と将来の約束をしている訳でもないのに
いきなり祖母に会わせたら、きっと祖母が誤解するに違いない。
そうなったら困るのは達央の方だ・・だから今回は
祖母の家に顔を出すのはやめようと思っていたのに・・・・
「ちゃんと挨拶って・・・・」
「ん?挨拶って・・・そりゃ~優花さんの恋人です。よろしくって・・・」
優花は息を吐いた。
「ばあちゃんが都合よく勘違いしない程度なら・・・いいですけど」
優花の言葉に達央は
「勘違いね・・・どう取ってもらっても俺は問題ないけどね・・・」
優花には聞こえない様口を手で隠すように呟いた。
もちろん達央の言葉はラジオから流れる音楽でうまく
かき消されたけど・・・・