『え?嫌なの?旅行』
「ち・・違います。場所・・・です」
『よかった・・・嫌なのかと思った』
「明日メールします。」
『わかった』
「達央さん・・・」
『何?』
「ありがとう。私のために・・・時間を作ってくれて」
『う~~ん。それは違うかも』
「へ?」
『俺が優花に会いたいだけだから・・・・』
スマホ越しの声だけで顔が真っ赤になってしまった。
スマホを切ると優花はドカッとソファーに寝転がった。
そして天井に向って
「やった~~」と足をバタバタさせた。
買ってきたケーキの事などすっかり忘れて
優花の頭の中は旅行の事でいっぱいになった。