『ツアーの前に必ず時間作るから…』

「ああ・・・約束・・でも無理しないでください。もうこういうの慣れたし」
本当は慣れてなどいない。
でもきっと達央は忙しいからごめんと言うのだろうと思った。
ショックを受ける前に自分から言った方が傷も浅いと先手を打ったのだが
『いやいや・・俺慣れてないし・・・めっちゃくちゃ会いたいんだけど』
達央の意外な返事に優花は驚いた。
「え・・・でも」
『3日間休みもらえたんだ。来週の火曜にから木曜日まで。だからさ・・・
2人で旅行にでも行かない?』
あまりにも突然の誘いにさすがの優花も驚きを隠せなかった。
3日間なんて、初めてだ。
今までだって長くても1日だ・・・それが3日。
「どうして?」
『どうしても・・ていうか・・尚也がマネージャーに掛けあって
3日間のオフをゲットしたんだよ。だからさ・・・ね?旅行行こう?』
「・・・・はい」
返事をするだけで精一杯だった。
優花が驚いているのに達央の話は止まらない。
『でさ・・何処行きたい?3日間だから温泉とかもいいし・・・海外でもいいよね
韓国とかさ・・・ね・・・優花は何処行きた?優花の行きたいところに連れてってあげる』
達央の言葉からも旅行に行けるうれしさが伝わるが
優花は驚きの方が大きくてどこに行きたいとか何も考えられなかった。
「・・・1日・・時間ください」