何がWデートよ!
そんなの出来る訳ないじゃない。

美由紀が一緒といはいえ桜沢さんと食事もあり得ない。
大体、達央さんが知ったら半殺し?・・・いや殺されそう。

でも・・・どうしたらいいんだろう・・・・
今だってきっと忙しいと思うんだよね。

優花はスマホを取り出し何度も何度もアドレスを開いては閉じてを
繰り返した。

時々思う。
達央が本当にサブローだったら・・・
優花が勝手に作りあげたもう一人の達央。

サブローだったらゲームショップの店員だから
電話やメールも気兼ねせずできるのになーって


優花はソファーに仰向けに寝転がり天井を見上げ、
何度目かの溜息を吐いた。
そして勢いをつけ起き上がると
「ダメ元・・・ダメ元・・5コールまでに出なければ
また考えよう」
そう自分に言い聞かせるように言うと
スマホのアドレスをもう一度開き達央に電話をした。

1・・・2・・・3・・・4・やっぱり・・やめよう。
そう思った時だった。

「優花?」
で・・・出た!
びっくりして声が出なくなる。
「・・優花?どうした?」
「びっくりした・・・」
優花の驚く声に達央の笑い声が聞こえた。
「なーに。びっくりしてんの?何かあったんだよね?」
優花は大きく深呼吸をすると今までの経緯を離し始めた。