「つまんない…」
 「もう少し我慢したら、外で遊べるわ」
 4人兄弟の末っ子、エミリーがつまらなそうに、窓の外を見る。
 今日も雨が降っている。
「早くママのいるお家に帰りたい…」
 ここは、教授の豪邸。もといたところは、大雨による大災害のせいで住めないでいる。
 家は無事なのだろうか?
「家があったらね」
「エド!!」
「あなた、早く寝なさい」
 怒られているのは3番目のエドワードだ。
 怒っている2人は、アナとピーターだ。 
「ねえ、かくれんぼしない?」
 エミリーが、ピーターに訴える。
「何言ってんだよ! こんな大きな家で
かくれんぼなんかやったら迷子になっちゃうよ!」
 エドワードが反対する。
「ねえ、お願い…」
 ピーターを期待のこもる瞳で、見つめる。
 ピーターはエミリーにはすぐ負ける。
「いち、に、さん」
 エミリーの表情がパッと明るくなった。
「ウソだろ!」
 エミリーが喜び、エドワードとアナがのろのろと動き出す。
 アナは戸棚の中、エミリーがベッドの下に隠れようとすると、横からエドワードが走ってきて、
「ここには、ぼくが先にきた!」
といって、潜り込んでしまった。
 仕方がないので、エミリーは隣の部屋に走った。
 ずっとずっと奥にの壁に、縦長の大きな扉があった。