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爽やかな朝。
ふわりと吹く風は少し夏の香りを
含んでいる。

すん、と息を吸うと体中にキラキラした
空気が充満する。


「きっもちいーー!!」


豪快に伸びをしながら叫ぶ。


「神城!当てられたいのか?」


あ、いっけない、今は授業中だった。

席が窓側だからつい、
気持ちよくなっちゃった。



「ばっかだね~桃は!」

そう小声で言ってきたのは
私の親友、花蓮(かれん)だ。

綺麗なロングの髪を耳にかけながら
私を笑う。


「なんか機嫌いいじゃん?」


花蓮に見せられた
ノートの端っこに書かれた文字。

思わずにやけてしまった。