「…何だよ?」

「いや、そんなこと言った人
初めて だったから。
ほとんど、自分のこと 自分の
身の回りのこと ばっかりで
僕も含めて全体に、迷惑は
かけたくない って珍しくてね。」

ニコニコしながら、宮野君は言った。
とりあえず 俺が、変わり者だと
言うことは よく分かった。

そして…俺は、何事も
なかったように帰宅した。

そう、いつも通りだ。
何も変わらない、きっと俺が
居なくなったところで
変わらないのと、同じように。

これが、普通で…
それが…普通のことなんだ。

「願い事…か。」

願い事…なんて、本当に何もない。
第1、叶えてもらったところで
すぐに この世と、おさらばなんだし
結局、死んでしまったら
何にも ならない…意味がない。

「この世界が嫌いなのに
死にたくない…なんて。
凄い矛盾してるよな。」

死にたくない…いや…
死ねない…かな…。

…1つだけ…あった。
でも、それはきっと 無理だろう。


「この世の理から外れたモノを…
この世に 戻してほしい…なんてさ。」


でも、俺の唯一無二の…


願いだ。