「それで?その死神さんが
俺に、一体 何用ですか?」

「ん~…とね、簡単に言えば
君の願いを、叶えに来たんだよ。」

頭を、押さえながら死神は 言った。
…ちょっと、やり過ぎたか…
大人げないな…と、反省。

「…そうか。それが仕事なのか
知らないけど、悪いな。
願い事なんて 1つもないんだ。」

「えぇ~!それは、困るよ!」

「いや、仕事なんだろうけど
そこは…え~と、宮野君?が
どうにかしてくれ。」

「違う!そういうことじゃ
ないんだよ、確かに 仕事だけど!」

「…?つまり?」

「人の願い って言うのは
強い意思の力が、あるんだよ。
それを、霊になってから
叶えたい…って 思われると
色々と、危険で面倒なんだ。」

真面目な顔で、説明している
ところを 見るかぎり、冗談とかじゃ
ないようだな…。

…と言うか、死神なんてのが
見えてる時点で、大体 何でも
信じれるよな、うん…。

「…つまり…こういうことか?
まぁ、例えば…霊になってから
誰かと、もう一度だけ会いたい…
って、願うと…その願いの対象と
なった人が、何らかの被害を
受ける…とか。」

「へぇ…以外と、賢いね。
正しく、その通りだよ。
霊と言うのは、君が生きてる
この世界の理を、外れたモノ。
危険で、中には 強力な力を
持っている 更に危険なモノもいる。」

「悪霊…とか?」

「うん、そうだね。
元々 強い力の素質がある人も
いるんだけど、君達の認知できる
悪霊や呪い、といった類いは
霊の強い意思が形になったもの。」

「なるほどな…それで俺が
生きているうちに、その願いを
叶えとかないと 困る…と。」

「そう、こんなこと言うのは
気分の良いものじゃ ないけど
人の世界に被害を及ぼす
…化け物…だからね…。」

「…まぁ…考えてみる。
明日の、何時までだ?」

「明日の、14時10分!
丁度って 考えていて良いよ。
それまでに、何でも良いから
後悔のしない 願いを、ね?」

「分かった。頑張って
考えてみるさ。だから安心しろ。
死ぬときも、死んだ後も
誰かに、迷惑はかけたくない。」

「………。」

じっと、見つめられる…
な、何だ?何か変なこと言ったか…?