「ッ…。」

見覚えもあった…その死神。

宮野…。


ありがとう…!


心の中で、そう唱えて
止まりそうになった足を
踏みきり 進み続ける。

とどく…とどかせてみせる!

お婆さんの横に、さっきまで
無かったはずの 車が突如 現れる。

片足を、思いっきり踏み込んで
お婆さんに向かって飛び込んだ。



そのまま、お婆さんを抱え込み
勢いよく地面を転がった。



間一髪…助けられた…。

車は、そのまま 走り去っていった。