「どけろよ、これ。」

無言の死神。

「…どけろって、言ってるんだ!」

「君は、それが どれだけ
 危険なことか 分かってるの!
 あのお婆さんが延命すれば
 その運命の歪みは違うところに
 表れるんだ!関係のない人が
 何も知らない人が
 死ぬかもしれないんだよ!」

「だったら、その人も
 俺が 助けてやるよ!
 全部、俺が背負ってやる!
 だから、どけろッ!」

その場で半回転して 後の死神に
回し蹴りを食らわせにいく。

「ッ…!」

怯んだ一瞬の隙を、見逃さず
大鎌を持ち上げようとしたが
大鎌を手は、すり抜けた。

「何だ…見かけ倒しか…!」

走り出す、あのお婆さんが
行った方向に向かって。