「…そんなの関係ないだろ。
 必ずしも、運命を受け入れなきゃ
 いけない…なんてこと
 誰が、決めたんだよ?」

「誰も、決めちゃいないさ。
 それが元から、決まってるだけ。」

「…お婆さん…。」

「最後の最後まで ありがとうね。
 そろそろ時間みたい。」

頭を下げて、お婆さんは
また歩いていった。

「…ッ…やっぱり
 見過ごせない…!」

そう言って
追いかけようとした瞬間…



「…悪いけど、させないよ。」



さっきまで持ってなかったはずの
あの大鎌が…俺の喉元に添えられる。

「何、するんだよ。」

「行かせるわけにはいかない。
 それは、許されないことだよ。」

「助けることが、許されないこと?」

「そうだよ、もう決まっているんだ。
 それに 助けたところで
 延命は少しだけだろうしね。」

「たとえ少しだけでも
 大切な人に会える時間
 くらいは作れるだろ。」