「お~い、さっきの お婆さん!」

少し大きめの声で呼んでみたが
聞こえていないらしく…

「ちょっと!話しかけて
 どうするつもりなのさ?」

フヨフヨ といった感じに
死神さん は、浮いてついてきた。

「…分からない…!」

「何それ!?じゃあ、何で…」

「何でも良いだろ、そんなこと…!
 と言うか、走ってる時に…
 話しかけてくるな…息が切れる…!」

死神さん は、「もうじき」と言った。
つまり ほとんど猶予がない…。

…何か…後悔してるなら…
少しでも、助けてやりたい…
救ってやりたい…。

後悔とか…悲しみとか…
そんなの 俺独りで充分だから。