「もう〜、望奈斗準備遅い!」
「い、今終わったよ!」
「ほら、行こう」
そう言って繋がれた手。
やっぱり慣れないなーなんて思っていると、もう校門。
みんなが帰る時間だけあって、人がたくさんいた。
すれ違う女子が伊織を見てキャーキャー騒いでいる。
はあ…やっぱり人気なんだな〜。イケメンって罪だよね…。な〜んて軽く嫉妬。
…本人には口が裂けても言えないけど。
なんて思って、ふと伊織の方を見ると、すごい剣幕でみんなを睨んでる。
「い、伊織?どうしたの?」
「だってさ!すれ違う男子共、みんな望奈斗のことチラチラ見てるんだよ!?俺だけの望奈斗なのに!!」
は…?私なんかのこと見る人なんて1人もいないのに。