「あー!もう!あの人なんなの!?ミユ、ホンッットに気を付けて!!」


カナトは苛立ちを表すためか、わざと大きな足音を立てて生徒会室前の廊下を歩いていた


「え?えぇ、わかってるわよ」



「ぜんっっっっぜんわかってない!ミユには触れさせない!!絶対にねー!」



「そう…」


はぁ、と
ミユは諦めたように小さくため息を着いた



そのまま寮へ向かって歩いていると
向かい側からとても焦ったような顔をした尚が走ってきた



何かあったのか、と2人が疑問に思っていると
尚とパチリと目が合った


その瞬間尚によって寮まで瞬間移動で飛んだ





「な、なに?」

「何があった、尚?」



すぐにいつもの尚ではないと気付いたカナトが尚の表情を見ながら言った



「…結吏愛の、指輪が…変なんだ!!いきなり赤く光ったと思ったら結吏愛が苦しみ出して…それで…」



「どういうこと…指輪って?」



「実はね…」


ミユたちは寮へ入り、ミユがカナトにはもちろん、尚と晄にまで話忘れていて自分も忘れかけていた結吏愛がミューズの子孫で杖が指輪へと変わった事を手短に話した



「まじか…」


「ただ魔力が高いだけじゃなかったんだね」

「なんで言わなかったの…」


晄が泣き出しそうな顔で言った


「忘れてて…ごめんなさい」


「そんなことより!結吏愛をみて!なんでこんなに指輪が光ってるのかな?…何かの合図?」



「水龍!!」

「チルノ」


「「分かるか?」」


尚と晄は使い魔を出した


『いや、すまない…俺には分からん。』
『わたしも見たことないわ…なにこれ…』


だが2人とも結吏愛の状態がなんなのか分からなかった



『これは…指輪の持ち主を狙う魔力が近づいてきたときに出るものだ』


ギョッとしてその声の方を振り返った



「呼んでないわ、サタン」