母が病院から帰ってきたと

てっきり思って

玄関に向かうと

そこには家を出て行ったはずの父が立っていた…。

あまりにも急すぎて

私はびっくりして

立ち尽くしていた。

「よぉ!久しぶりだな
ずいぶん可愛くなって…」

そこには今までに見たことのない

父がいた…。

ニヤけて私の胸を見る。

怖い…。

すると父が私に

襲いかかってきた。

必死に逃げようとする。

でも父の力が強すぎて

逃げることができない。

私が叫ぶと殴られた。

「黙れ!!おとなしくしとか
ないと殺すぞ!!」


それは今までに感じたことのない痛みだった。

私は抵抗するのをやめ

おとなしく父の言いなり

になった。

涙しか出てこなかった。

父に言われた言葉が

頭の中をぐるぐると

回っていた…。


すると母が帰ってきた。

母と目が合い

呆然となる私達。

母が泣き叫んだ。

父は慌ててズボンを履き

家から逃げるようにして

去って行った…。

家に残された私と母は

ただ、泣いていた。

私は溢れる涙をこらえて

「ごめんなさい…」

そう呟いた。

すると母から信じられぬ

一言を詫びせられた。