「どうしてあゆみちゃんは
鬼ごっこができないの?
どうしてしりとりが
できないの?
あゆみちゃんおかしいっ」
そう言われても

言い返すことができなくて

知らない間に

私の周りから人が消えた。

3年間教室で

窓の外をひとりで眺めて

外で元気に遊ぶみんなを

うらやましく見るだけだった。


遊びたいのに遊びかたが
わからない。

喋りたいのにどう言えば
いいのかわからない。


いつの間にかクラスで

私は完全にひとりに

なっていた。

家に帰って母と喋るのが

唯一の楽しみだった。


でも、これからは

お父さんが出来る。

楽しみで仕方がない。

幸せになりたかった。


2ヶ月後、長年暮らして
きたアパートを出て

新しく3人で住む家に

引っ越した。

新しいお父さんは

有名な会社の社長さん。

見た目も中身も優しくて

素敵な人だった。

新しい家は100坪という

誰もがうらやむような

キレイで大きい家。

こんな家に3人で住める

なんて幸せだった。

それから私は

新しい生活を過ごした。