W王子【完結】












「今日は会議だから、早めに帰りなさいねー!それじゃあ、さようならぁ!」

ガタガタ…

皆が、教室に出ていく。



私も教室を出て行った。



「あ、優雨くんっ」

背が高い優雨くんを、私はすぐに見つけた。

「何?」


いつも無愛想なんだよなぁ……

でもソレが逆に、モテてる理由になってるのかも……


「ストーカー見つかってよかったね!」

「そりゃドーモ」

「教科書とか返してもらった?」

「一応な」



その時だった。



「麻宮!津高!」

???

「な、なんですか?」

「……」


「ちょうど良かった!この書類を、ホチキスでとめてくれないか?」

「え!?多っっ」

「今日、会議じゃないんスか」

「これ、会議に使うの忘れててな~!ソレに、先生は会議でなきゃだし!ハッハッ!!」


ハッハッじゃねーし!!


「ということで!これ!資料室でやってきてくれ!!」

ドサッ

「わわっ」


イキナリ書類置くなよ~


「んじゃ!」

先生は去って行ってしまった……

「もぅ…」

「行くぞ」


そう言うと、
優雨くんは私が持っていた書類を
自分で持った。